税務調査で要注意!従業員を請負契約にする場合のポイント

税務調査_小林安夫税理士事務所
秋は税務調査が本格化するシーズンですね。
特に指摘を受けることが多いのは、給与・外注費に関する問題です。

「従業員を雇用から請負契約にすると、社会保険料の負担がなくなり、消費税の納税額が減る」と安易に考え、ポイントを押さえずに導入してしまうと、税務調査で注意を受けてしまうのです。

契約内容や業務実態に基づくこと

確かに、従業員を請負契約にして外注費扱いにすると、源泉徴収義務がなく、本則課税で計算している場合は消費税に関して課税仕入取引になるので、実際に納付する消費税額が減るでしょう。
そして、社会保険の加入義務もなく社会保険料の負担もなくなります。
しかし、人件費を抑えたいために、従業員の契約形態を変えていいわけではありません。
契約内容や業務実態などの客観的事実に基づいて判断する必要があるでしょう。

外注費として認められるポイント

そもそも「給与」と「外注費」とは以下のように性質が異なるものなのです。

「給与」…雇用契約もしくはこれに準ずる契約に基づいて受ける役務の提供の対価
「外注費」…請負契約もしくはこれに準ずる契約に基づいて受ける役務の提供の対価

人件費が外注費として認められるには、以下のことを満たす必要があります。

・外注先が、他社の仕事も請け負っている
・外注先が自己の判断と責任で業務を行っている
・その契約に係る役務の提供について、他人が代替して業務を行える
・仕事に必要な材料や道具は外注先が自前で用意している
・外注先が自ら請負金額を計算し、請求書を発行している
・納期までに商品・サービスを納品できなかった際は対価が支払われない

このことから、会社から指示監督命令が出ていたり、道具や材料を会社が用意していたり、請負金額を会社が計算して支払っていると、雇用関係があるとみなされる可能性がでてくるのです。
支払った人件費が給与か外注費かについては、税務調査でもよく問題になるのです。
経費圧縮のためだけに外注費にすると税務調査で指摘され、追徴税額を支払う可能性もありますので、注意が必要です。

詳しいことは会計事務所におたずねください。